オーストラリア西方沖のディアマンティーナ海域。
水深7000mにも達する深海で、
530万年以上にわたってクジラの骨が集積している
「クジラの墓場」が見つかったという。
このニュースを読んで、ちょっと思った。
こんな最期も悪くないな。
深海。
誰にも邪魔されない。
波もない。 喧騒もない。
暗く静かな海底で、ゆっくりと時間をかけて朽ちていく。
最後は海に還っていく。
ちょっとロマンがある。
「自分も最後はこんなところで……」
そんなことまで想像してしまった。
ところが、実際の映像を見ると、
白いヒトデが、ものすごい数で、
クジラの死骸の周りを、わんさか動き回っている。
思っていた深海と、ちょっと違う。
想像していたのは、
「誰にも邪魔されない静かな深海で、ゆっくり海に還っていく」 だった。
実際は、「深海レストラン」である。
しかも、お客さんはヒトデだけではない。
クジラの死骸には、さまざまな深海生物が集まってくる。
クジラ一頭が沈んだだけで、そこにひとつの生態系ができあがる。
つまりクジラは、静かに朽ち果てているどころではない。
ものすごい勢いで食物連鎖に組み込まれている。
「静かに朽ち果てる」 というより、
「最後まで深海の生態系の一部として働く」というのが現実だった。