2026年9月28日月曜日

静かな深海で、静かに朽ち果てたい

オーストラリア西方沖のディアマンティーナ海域。 

水深7000mにも達する深海で、

530万年以上にわたってクジラの骨が集積している

「クジラの墓場」が見つかったという。 


このニュースを読んで、ちょっと思った。

こんな最期も悪くないな。


深海。 

誰にも邪魔されない。

波もない。 喧騒もない。 

暗く静かな海底で、ゆっくりと時間をかけて朽ちていく。 

最後は海に還っていく。 

ちょっとロマンがある。

 「自分も最後はこんなところで……」 

そんなことまで想像してしまった。 


ところが、実際の映像を見ると、

白いヒトデが、ものすごい数で、

クジラの死骸の周りを、わんさか動き回っている。 

思っていた深海と、ちょっと違う。 


想像していたのは、

「誰にも邪魔されない静かな深海で、ゆっくり海に還っていく」 だった。 


実際は、「深海レストラン」である。 

しかも、お客さんはヒトデだけではない。 

クジラの死骸には、さまざまな深海生物が集まってくる。 

クジラ一頭が沈んだだけで、そこにひとつの生態系ができあがる。 

つまりクジラは、静かに朽ち果てているどころではない。 

ものすごい勢いで食物連鎖に組み込まれている。


「静かに朽ち果てる」 というより、 

「最後まで深海の生態系の一部として働く」というのが現実だった。