2026年9月6日日曜日

インスタ漫画とサンド伊達さんと、父親のこと

認知症になった高齢の父親が、施設に入ることになった――。

そんな内容の漫画をインスタグラムで見かけて、

ふと父親のことを思い出した。


うちの父親は、母が亡くなったあと、老人ホームの見学に行き、

あっという間に入居を決めてしまった。

もともと母が元気になったら、

二人で老人ホームに入ろうと考えていたらしく、資料なども集めていたが。


老人ホームに入ると、「もう家に帰ることはないから、家財は処分して、

家も売りに出してくれ」と、あっさり言われた。

長年暮らしてきた家や、そこにあるたくさんの物に対して、

まったく執着がなかった。

「ここまで潔くできるものなのか」と、感心してしまった。


その後、父は誤嚥性肺炎で入院し、そのまま亡くなった。

父は入院したときに、「延命治療はしない」と医者に伝えていた。

看護師さんからも、「ご家族もご存じですよね」と確認された。


父と母がまだ元気だった頃から、

「自分達は延命治療はしない」と、はっきり言われていた。

だから、父がその時に延命治療を望まなかったことに、

「父がそう決めていたから、その意思を尊重しよう」と、迷いはなかった。


遺言書もきちんと残してあり、財産の分配割合まで書かれていて、

最後の最後まで、用意周到だった。


先日、サンドウィッチマンの伊達みきおさんが、

脳梗塞で入院したというニュースを見た。

それを見て、また父親のことを思い出した。

父も70代のときに脳梗塞になった。


朝、自分の体の異変に気づくと、自分で電話をして救急車を呼び、

なんと救急車には歩いて乗り込んだらしい(母から聞いた)。


幸い、後遺症はまったく残らなかった。

そして、亡くなるまで頭は本当にしっかりしていた。

頭も良くて、暗算などは自分より速かった。


「自分の父親だから」という身びいきもあるのだろうが、

それでも、「世の中には、こんなにすごい人がいるんだな」と、思った。


家に執着しない。物にも執着しない。

自分の最期についても、自分で決めておく。

そして、体に異変が起きれば自分で判断して救急車を呼ぶ。


父親が亡くなってから時間が経った今、

こうして思い返してみると、単に「頭が良かった」というだけではなく、

最後まで自分の人生を自分で決めていた人だったのかもしれない。


インスタで見かけた一本の漫画から、久しぶりに父親のことを思い出した。

亡くなってからも、こうして何かのきっかけで思い出す。

それだけでも、父親はまだ自分の中に生きているのだと思う。